今回紹介するのは、常盤の谷戸の中静かにたたずむKamakura 24 Sekki (以下24sekki)です。
お店の名前の「24sekki」は、1年の四季を24等分にした中国の暦の「二十四節気」が由来です。
名前の通り季節の移り変わりとオーガニックな素材にこだわったおいしいパンを楽しめ、ヴィーガンの方はもちろん子どもやわんちゃんまでどんな人でも大歓迎してくれるお店でした!
パンを買って帰ることはもちろん、無農薬野菜のサンドイッチとスープがついたランチや、ドリンクを注文することで買ったパンを店内で食べることもできます。
谷戸のわびた雰囲気の中、心も体も満たされて
「24sekki」鎌倉駅西口から徒歩20分ほど。長谷の大仏に向かう道のりの先にあります。バスの通りも頻繁にあるので、歩きに自信がない方はバスを利用してもいいかもしません。バス停からは、徒歩1分ほどで着きます。
駐車場が2台あるので車でも行けますよ。
お店は、大通りから一本外れた道にあります。
徒歩の場合は鎌倉駅西口からまっすぐ歩いて行き、3つ目のトンネルを抜けてすぐ看板が見えたら曲がる合図です。
小道に入ると谷戸の雰囲気が濃くなり、緑の湿度を感じます。
1分ほど歩き入り口に黄色い自転車がある二階建ての建物が見えたら、到着です!
入り口前には、ランチメニューや季節限定商品が書かれた看板が置いてありました。
扉を開け店内に入ると、棚に並んだパンがお出迎えしてくれます。
ハーブティや、オリーブオイル、塩などお店で使われているオーガニックの食品も買えますよ。
木の温もりあふれる店内は、ソファ含めて10席ほど。外にはテラス席があり、わんちゃんと散歩がてら一緒にカフェ利用することもできます。
一度食べたら、忘れられない!シンプルな美味しさが魅力的な「サンドイッチシノワ」
普段はパンをテイクアウトしている私ですが、知り合いの方からの
「24sekkiのベジミートを使ったサンドイッチは単なるおいしさじゃないから。自分じゃ作れないおいしさがあるからまた食べたくなるの!」
と熱いプッシュもあり、ずっと気になっていたサンドイッチシノワをランチセットでいただきました!
予想以上のすごいボリュームです。
メニューの中でも一番人気の季節のお野菜を使ったサンドイッチで、今日の具材は春菊とズッキーニ、トマト、人参、ベジミートなど盛りだくさん!
ベジミートとは植物由来の“肉”で、低カロリーで栄養豊富な面から、最近は健康志向の方の注目を集めているみたいです。
私はかつてべジミートを興味本位で買ったことがあるのですが、「大豆感が強くてお肉の代わりにはならないな」というのが正直な感想でした。
けれどこのサンドイッチに入っていたベジミートは鶏肉のようにジューシーで、だけど油っこくなくしっとりとおいしくて、「どうしたらあのベジミートがこんなにおいしくなるの」と驚きのあまり思わず店主さんの顔を見てしまいました。
さらにそこに加わる人参の甘味、ズッキーニのパリッとした食感、そして噛むほどに広がる春菊の香りに食欲を刺激させられ、気づいたらぺろっと平らげてしまいました。シンプルな味付けがお野菜の良さを引き立たせています。
これはサンドイッチに限りませんが、野菜は全て無農薬のものを使用していて、農家さんに直接送ってもらっているそうです。
ランチセットには、自然栽培野菜とお豆の雑穀スープがついてきます。
この日は、枝豆、玉ねぎ、じゃがいも、トマト、もち黍(きび)の冷製ポタージュでした。優しい味付けのスープで野菜本来の甘さが全面に押し出されています。
夏季限定!無農薬すももの酵素ソーダで夏の暑さをさっぱり楽しんで
この日は蒸し暑く甘いものが飲みたかったので、無農薬すももの酵素ソーダを追加でいただくことにしました。
すももとミントの色合いがとてもキレイ。
砂糖を使用せずに、果実と穀物発酵の甘味料で作られたシロップで作られているからか、べったりとした甘さはなくすっきりとさわやかな味でした。
飲みものは、他にコーヒーはもちろんココアやハーブティなどがあります。
国産小麦100%や自家製天然酵母。オーガニックな素材で作られたパン
ずらりと並んだパンにはメロンパン、レーズンパン、カンパーニュ、シナモンロール、メロンパン、ドーナッツなどなど、さまざまな種類のパンがあります。
いずれもシンプルでありながら、見た目から伝わるもっちり感とずっしり感。
どれもきっと他のパン屋さんでは味わえないパンなんだろうなとワクワクします。
パンはどれも動物性の食材を使っておらず、ベジタリアンやヴィーガンの人も安心して食べることができます。
北海道産の小麦粉、自然栽培の野菜、JASまたは有機海外認定を受けた豆乳やドライフルーツなど、どの食材も店主によって選び抜かれています。
何よりのこだわりは、100年以上続く味噌屋さんの蔵についた麹菌を、自然栽培玄米につけた麹を使ってできた生命力あふれる醗酵種。
「24 sekkiのパンのもちもち感はこの酵母に秘密があるのでは」と私はにらんでいます。
この日は混んでいない時間を狙い、日曜日の昼過ぎに取材させていただいたのですが、人気のパンが売り切れないようにと事前に取り分けて置いてくださいました!
お気遣い大変感謝します。ありがとうございます!
季節が変われば、旬のお野菜も変わります。
カルツォーネやピッツァは具材が時期によって変わるのだそう。
私のお気に入りは、このメロンパン。
表面はオーガニックメープルを使用したクッキー生地でもっちりしたパンとサクサクのクッキー生地がとてもおいしい。
小さいながら、結構お腹にたまります。
そしてもうひとつおすすめしたいのがこの「ちびぱん兄弟」です。
ミニサイズのパンが4種類入っていて、おみやげにもぴったりです。
私は友達と分け合ったり、おやつ用にしたりその使い勝手の良さから、よく買って帰ります。
パンを味わい、自然を感じ、積み重ねられた時と季節に思いを馳せる
小さく流れているBGMに耳を傾けながらパンを食べていると、自然と目線はガラス張りの外に広がる緑に向きます。
この日は梅雨が終わりかけで、少しうなだれた紫陽花と青々とした梅の木に夏の予感を感じました。
心地よい空間、ゆったりとした時間の流れにほっと心と体がほどけてゆくのを感じます。
こだわり抜いたパンの裏に隠されたあたたかな店主の想い
店主の瀧澤さんにお話を伺ってみました。
24 sekki のコンセプトは「パンをきっかけに原材料やヘルシーな食生活を考えるきっかけになるようなお店」とのこと。
このコンセプトのお店にした経緯を聞くと、店主自身が、30年間悩まされていた体調不良が、食生活を変えたことをきっかけにみるみる良くなったご経験があるそうです。その時から季節のものやその土地のものを食べること、原材料の大事さを実感し、紆余曲折を経て生まれたのが「24 sekki」だそうです。
自然派、ヴィーガン…呼び方はいろいろありますが、「ずっと健康でいたい」というその思いは子どもから大人までみんな一緒だと思います。
そしてそんな方を大歓迎してくれるの「24 sekki」。
おいしいパンはもちろん店主のやさしさが、長年お客さんから愛される理由のひとつになっているのだと感じます。
ぜひ一度、訪れてみてくださいね!
蔵つき麹発酵種パンとヴィーガンカフェ kamakura 24 sekki
住所:神奈川県 鎌倉市常盤 923-8
アクセス:
JR横須賀線鎌倉駅西口から徒歩20分
鎌倉駅西口1番バス乗り場(鎌倉市役所前)
「山の上ロータリー」「鎌倉中央公園」行き「一向堂」下車徒歩1分
江ノ島電鉄線長谷駅から徒歩23分
営業時間: 金・土・日 11:30 – 16:30
カフェの営業とサンドイッチのテイクアウトのラストオーダーは14:00
*夏季は土曜日のみの営業
*冬季休暇あり