是枝監督作品一挙公開イベント開催中「鎌倉市川喜多映画記念館」

今回は「鎌倉と映画」に関するスポットと映画イベントをご紹介します。

昭和時代に日本映画の発展に貢献したという、川喜多長政・かしこ夫妻の旧宅の跡地にある、鎌倉市川喜多映画記念館です。

是枝監督はこれまで何度も海外の映画賞や国内の賞を受賞してきましたが、その功績を讃えて、今年の夏に第41回の川喜多賞に選ばれています。

「是枝監督のこれまでとこれから」というテーマで、これまでの作品を全て公開する特別展が10月26日〜来年1月まで鎌倉市川喜多映画記念館で開催されています。

鎌倉市川喜多映画記念館までのアクセスは

鎌倉市川喜多映画記念館へは、鎌倉駅東口から小町通りを八幡様に向かって徒歩8分。小町通りから左手の横道へ入った少し奥にあります。

小町通りから横道にそれるとお屋敷通り。この日はお屋敷の庭の木の上にリスを見かけました。

川喜多映画記念館は、川喜多夫妻と当時の映画界に関する一般展示と企画展示のスペースと小さなミニシアターがある施設です。

特別展「映画監督・是枝裕和のまなざし」が開催中

ミニシアターでは、昔の映画や企画展で取り上げられた作品が上映されているのですが、今回は是枝監督の初期のドキュメンタリー、ドラマ、映画作品が10月から来年1月まで毎週1〜2作品ずつ上映されます。

公開されるのは、カンヌ映画祭受賞作日品を含む13作品。

初期の「誰も知らない」、「ワンダフルライフ」、鎌倉が舞台の「海街diary」、「そして父になる」、「万引き家族」、「ベービーブローカー」そして最新作の「怪物」も含まれています。

是枝監督は、元々テレビマン。「テレビマンユニオン」でディレクターとして活躍、番組ADを務めながら、ドキュメンタリー作品を制作していたんですね。

「テレビマンユニオン」時代のテレビドキュメンタリーも上映されます。

50名程度の収容数が小さな映画館なので、事前に空きがあるか確認した上で行くのがおすすめ。
映画鑑賞チケットは一般1,000円、小・中学生は200円。

ちなみに、日時は未定のようですが、是枝監督自身が登壇するトークイベントも企画中だとか。

特別展のサイト:https://kamakura-kawakita.org/exhibition/202310_koreedaeyes/

鎌倉市川喜多映画記念館について

今回、私が訪ねた時にはまだ映画が公開されていなかったので、特別展示だけのぞいてきました。(鎌倉在住の方は無料)

展示室には、是枝監督のこれまでの映画制作で使われた脚本(監督の手書きのメモ入り)、関係者へのメッセージ、監督の絵コンテ、衣装合わせのためのスケッチボードなどが展示されていました。

是枝監督の絵コンテがとてもかわいらしい♩

あっさりした絵コンテなのですが、イラストも手書きの文字もなんとなく丸くてかわいらしくて、思わずふっと顔がほころんでしまいます(展示室内は写真撮影不可)。

館内は15〜20分もあれば一回りできてしまうほど。映画観賞ついでにのぞいてみては。

旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)

先日はちょうど一般公開の日だったのでちょっとのぞいてきました。

川喜多夫妻は、日本の映画界の発展に貢献した人で、昭和時代に戦後日本に海外の映画を紹介、さらには日本映画を海外に紹介し貢献した著名人。

川喜多夫妻は昭和36年にこの鎌倉に移住してきたそうです。

鎌倉は文化人に愛された土地でもあるんですね。川喜多夫妻は、東京にあった哲学者の和辻哲郎氏の邸宅を買取り、この鎌倉に移築、別邸として利用していたそうです。

当時は、この別宅に海外から日本を訪れた映画スターや監督たちを招き入れ、もてなしていたそう。

当時の和式の邸宅を海外のスターはどんな風に感じたのかなと想像しながらぐるっと邸宅を一回り。

当時の台所、昔の映画のシーンにぴったりな趣。

あまり知られていないスポットですが、意外に人がいて、邸宅の前の広い芝生では子どもが寝転がり、外国人のカップルが記念撮影をしていました。

鎌倉の小町通りは観光客で人通りも多いのですが、ここはメインの通りから少し入ったところにあるので、鎌倉のゆったりした雰囲気が残っています。

鎌倉、かつては映画の街

鎌倉には昔、松竹大船撮影所があり、大船・鎌倉には多くの映画関係者、俳優人が集まっていました。

大船撮影所は2000年には閉鎖されたのですが、それまで大船撮影所で松竹の「寅さん」シリーズ、山田洋次監督や小津安二郎監督などの映画作品が撮影されていたそうです。

ちなみに、小津安二郎監督は撮影所の近くに居を移したいと、北鎌倉に引っ越した後、この鎌倉で生涯を過ごしたそうです。

この期間に、是枝監督の作品ファンの方はもちろんのこと、日本映画に縁のある鎌倉のミニシアターで映画鑑賞というのはいかがでしょうか。

ちなみにこちらのミニシアターでは、次世代シネマセレクションという上映会もやっていて、通常の映画館では上映されない作品の公開もおこなっているそうです。

鎌倉市川喜多映画記念館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目2番12号
アクセス:JR横須賀線「鎌倉駅」東口から徒歩約8分
連絡先:0467-23-2500
営業時間:月曜日・年末年始、展示替期間 特別整理期間を除く
9:00 – 17:00(入館は16:30まで)
公式HP:https://kamakura-kawakita.org/
展示観覧料:企画展 一般200円、小・中学生 100円 | 特別展 一般400円、小・中学生 200円

※鎌倉在住の方、市内の小・中学校に通学する児童・生徒は無料
※駐車設備はございません

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。