あじさいが見ごろを迎え、観光客でにぎわう季節がやってきた長谷の街。今日もまた、街はたくさんの人であふれかえっています。
ここのところ人と距離を取る生活をしてきたせいか、最近どうも人混みにいると気疲れしてしまう私。別に何があったわけではないのですが、人間誰しもたまには「一人になりた〜い!」と思うこと、ありますよね?
雑踏にはいたくないけど、ひとりぼっちはイヤ。なんちゅうワガママを言っているんだとお思いかもしれませんが、ぶっちゃけそんな気分だった今日の私は、にぎやかな街を眺めながら、一人でゆっくり街&人間観察でもしようとステキなカフェに向かいました。
それがこちら、長谷駅から歩いてすぐの収玄寺境内にある大人かわいいカフェ「蕪珈琲」さんです。
お寺の中に、おしゃれカフェが生まれた理由
お寺の門をくぐって、向かって左手がお目当ての蕪珈琲。手前の曲がり角に看板が出ていて、そちらからも入っていくことができます。
勘のいい方ならもうお気づきかもしれませんが、なぜこのカフェがお寺の敷地内にあるのかというと、実はカフェの経営、運営をされているのがご住職のご家族だから。お母様や息子さんたちがお店を切り盛りされているそうです。
そして、店名に「雑草が生い茂った様子」という意味の「蕪」とつけられたわけは、昔、お寺に咲いているたくさんの草花と一緒に雑草が生い茂っていたからなのだとか。
なるほど。さすがはご住職のご家族が経営するカフェ。なんとなーく博識というか、言葉のチョイスに聡明さを感じてしまうのは私だけでしょうか(苦笑)。
珈琲にも、音楽にもこだわった洒落者たちが集う場所
無機質だけど洗練された印象の扉を開けると、店内はこ〜んな感じ。広々とした空間には4つのテーブル席と全部で8〜10人ほどが座れるカウンター席が3カ所あります。ちなみにこのお店の空間デザインは東京藝大の方がなさったのだとか。なにせ、お店を切り盛りするお母様は現役のジャーナリストでもいらっしゃいますから、きっとお顔が広いのでしょう。
一人で珈琲をゆっくり味わいたかった今日の私は、手入れの行き届いた収玄寺のお庭が見えるこちらのカウンター席を確保。そして、グァテマラの珈琲をオーダー。
こちらでは珈琲を注文すると好みのカップを選ばせてもらえるのですが、実はそれも楽しみのひとつで、今日はブルーとグリーンのラインがかわいいマグをチョイスしてみました。
窓際でボーッとしながら「なぜこのカフェがこんなに落ち着くのか」考えてみると、ここ蕪珈琲さんはとにかく音楽のセンスが抜群にいいんです。店の片隅に置かれたレコードプレイヤーから流れる曲に耳を傾けながら珈琲をすすると、スーッと心が穏やかになっていく…これぞまさに優雅さの極み!
聞くところによると、常連さんがお気に入りのレコードを持っていくとかけてくれることもあるそうで「ふむふむ、音楽へのこだわりも相当なもの」と思っていたら、なんとこちらの息子さんはミュージシャンだというではありませんか! うひょ〜、カッコいい〜。
おいしい珈琲を味わいたい時はもちろん、大切な人とゆっくり語り合いたい日や読書に没頭したい日、音楽に身を委ねたい時や物思いにふけりたい時に訪れてほしい「蕪珈琲」。ご興味がある方は、あじさい見物のついでに覗いてみてはいかがでしょうか。
蕪珈琲
住所:神奈川県鎌倉市長谷2-15-14
アクセス:江ノ島電鉄「長谷」駅より徒歩1分
営業時間:13:00〜17:00
定休日:不定休