鎌倉を代表する日本初の禅寺で、心安らかなひとときを

鎌倉五山第一位で、鎌倉四大寺の一つ。
1253年(建長5年)に北条時頼が
宋の高僧、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を招き、建立したという、
日本初の禅寺……といえば、もうお分かりですね!

そう、今日は北鎌倉にある建長寺を訪れています。

秋はお散歩していると、あまりの気持ち良さに
私ったら、どこまでも歩いていってしまうんですよね〜。

北鎌倉にある、といっても正直、駅からはかなり歩きます。

なので、歩きに自信がない方はバスで向かうのがベスト。

ただ、この季節は景色も美しいですし、風も気持ち良いし、
道すがら、おいしそうなお店がいくつもありますので、
お散歩気分でおよそ15分! 頑張って歩くのが私のおすすめ。

「まだ着かないの〜?」と思った頃、建長寺の入口がどーんと現れますから。

庶民の味方、おいしい「けんちん汁」発祥の禅寺へ

さあ、では国宝やら重要文化財やらの宝庫、建長寺に入ってみましょう!

まずくぐるのが「総門」。

こちらは「巨福門」(こふくもん)ともいわれておりまして、
1783年(天明3年)に建立された
京都・般舟三昧院(はんじゅさんまいいん)から移築したものなのだとか。

巨福なんて、なんだかすごく良い響き……。

見上げると「巨福山」と書かれた額がありますが、
不思議なのが、「巨」の文字に点が打たれていること。

うーん、書き間違い? それとも私の記憶違い? と思って調べたら、
この額は第十世住職、一山一寧(いつさんいちねい)の筆で、
文字を引き締めるためにあえて「巨」の文字に点を加えたのだそう。

この点は百貫の重みに値するということで
「百貫点」と呼ばれているのだそうです。

……お勉強不足で失礼しましたっ!(汗)

でも、ここが「けんちん汁」発祥の地だということは私も知っていましたよ!
なにせ食いしん坊なもので(笑)。

拝観料をお支払いして、まっすぐ進むと次に見えてくるのが「三門」。

楼上には釈迦如来、五百羅漢、十六羅漢が安置されていて、
この下をくぐることで、心が清浄になるといわれている場所です。

ちなみに三門とは「三解脱門」の略で、
悟りに至るために通るべき三つの関門のことを表しているのだとか。

ふむー…、私めもだいぶ大人になりましたが、
まだまだ悟りの境地にはたどり着いていない修行の身。

「が、頑張ります〜」と、頭も腰も低くして通り過ぎましたが、
なんでしょう、門をくぐるとスーッと気持ちが落ち着いたような、
どこからか「もっとしっかりせんか!」「まだまだ修行せよ!」
という声が聞こえたような……ちーん、すみませーん。

さて、人生修行継続の命をいただいたかもしれないことはさておき、
続く参道の両側にある柏槙の古木を横目に進んでいくと出現するのが「仏殿」。
こちらは東京・芝の増上寺より徳川秀忠の夫人である崇源院の霊屋を
移築したものなのだそうで、またもや静謐な空気が漂っています。
(歴史が苦手な私の記憶が定かなら、確か秀忠夫人はお江様ですよね!)

そしてさらにその奥には、住職様が仏に代わって説法するためのお堂「法堂」、
宝冠釈迦如来が祀られている「方丈」(龍王殿)……と、
お気づきの通り、実は建長寺の配置は山のほうへとまーっすぐ一直線!
これを「伽藍配置」というのだそうで、禅宗特有の様式なのだとか。

まだまだ人生勉強不足の私には難しいことだらけですが、ここ建長寺が、
鎌倉が誇る古式ゆかしく美しい禅刹であることは容易に理解できました!

鎌倉散策、神社仏閣巡りは歩きやすい靴でぜひ!

紅葉が進んで赤や黄色に染まる山々を背景に、静かな時間が流れる建長寺。
ここはやっぱり、一度は訪れてみる価値のあるお寺です。

ここから鎌倉駅までは歩いても、プラス約15分!

おいしいものや楽しいショッピングが待ち受ける、
人々で賑わう街もすぐそばにある建長寺。

「どれだけ歩かせる気だ!」という声が聞こえてきそうですが(苦笑)、
鎌倉に遊びにいらっしゃる際は歩きやすいスニーカーを履いて、
ぜひ建長寺も散策コースに加えてみてくださいね!

巨福山 建長寺
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内8
アクセス:JR横須賀線 北鎌倉駅より徒歩約15分、江ノ電バス5分(鎌倉駅行き「建長寺」下車)※駐車場あり(乗用車20台分、利用料金600円〜)
TEL:0467-22-0981
拝観時間:8:30〜16:30
拝観料:大人(高校生以上)500円、小人(小中学生)200円

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。