文豪、徳冨蘆花(とくとみ ろか)が逗子に住んでいたことで開園した『蘆花記念公園』。
桜山の一部にあるこの公園は、逗子海岸からも近く、山を登った先では相模湾を眺めることができ、海と山が共存する逗子ならではの公園ではないでしょうか。
逗子と埼玉との二拠点生活をしている筆者ですが、二拠点生活を始めたころ、最初に訪れた逗子の公園がこの『蘆花記念公園』です。
今回ふと思い立ち、2年半ぶりに訪れてみることにしました。
散策路はちょっとしたハイキングに
この公園の散策路は緩やかな傾斜となっていて、小さなお子さんとのハイキングにピッタリです。
散策路の途中には、徳冨蘆花の作品が掲げられていて、これを読みながらゆっくり上るのもいいですね。
少し登った木々の隙間から、江ノ島が見えます!
住宅の屋根も下に見え、だいぶ登ってきたことが分かります。
さらに登った、この先の景色が気になるところです。
進んで行くとこんな雰囲気の道になり、ハイキング気分が盛り上がります。
そして…
登りきった先に、門が見えてきました。
中に入れそうなので、入ってみましょう。
郷土資料館として働いた古民家
門をくぐるとそこには、古民家があります。
この建物は、横浜の実業家が別邸として建て、その後徳川家別邸として使用された由緒あるものなのだとか。
建物前からの眺め。
建てた当時は、木々もここまで茂っていなかったのかもしれません。
屋内の縁側は一段高いため、さらに相模湾が一望できるそうです。
きっとこの高台から、海のきらめきを眺め、のんびり過ごしたのだろうと想像します。
天気次第では、富士山も望めるとありました。
建物入口の看板には「郷土資料館」とありますが、扉には「令和2年3月31日をもって閉館しました」との貼り紙が。
実は2年半前に訪れた際には「休館」となっていて、やはりこの建物の中に入ることができませんでした。
結局、この建物からの景色を眺めることはできず残念です。
逗子市のホームページでは、この建物の今後は民間業者と協議していくとあります。
貴重な建物は残して欲しいところですが…今後を見守りたいと思います。
野外活動のできる施設も充実
郷土資料館裏に進んで行くと、急な下り階段となります。
小さなお子さんは、少し怖がるかもしれませんが、手すりを伝っていけば大丈夫。
ゆっくり下ってみましょう。
下りきった階段を振り返って見ると、なかなかの急な階段でした。
距離はそれほどないので、子どもにとっては自信につながるのではないでしょうか。
そんな階段を下ったところにあるのが、第一休憩所。
そこから少し上がったところに第二休憩所があり、それぞれ市民・市内団体の活動をすることができます。
また、野外炊事場もあり、こちらも市民・市内団体ならば利用が可能です。
現在の社会状況を鑑みて、それぞれ10名までという利用人数制限はありますが、広いスペースで活動することができます。
今は使われていないそうですが、のぼり窯もありました。
いつか使われるのを見てみたいです。
『蘆花記念公園』を一周して
最後に「徳冨蘆花文学碑」を見て、今回の散策は終了です。
どうやら公園内には、「旧脇村邸」という古民家もあるそうですが、ルートが反対なので次回訪れてみることにします。
『蘆花記念公園』は、市民の活動を支える役割も果たしている、逗子市にはなくてはならない公園。
文学あり、古民家あり、山道ありとバラエティーに富んだ公園でした。
天気のいい日にはお弁当を持って、親子でのハイキングにちょうどいいかもしれません。
さて山を堪能したので、今から近くの逗子海岸でも歩いてみますか。
蘆花記念公園
所在地:神奈川県逗子市桜山8丁目2274-1
アクセス:JR逗子駅、京急逗子・葉山駅(海岸回り)バス乗車「富士見橋」バス停より徒歩8分
※駐車場なし