鎌倉市腰越で、134号線を越えた先の絶景を見る「小動神社」

海が見たい!

ということで、海に臨む展望台がある小動神社(こゆるぎじんじゃ)に行ってきました。

かつて、義経が足止めされたという腰越。その一角に、太宰治が心中を図ったと言われる小動(こゆるぎ)岬があります。
江戸時代には外国船を見張るための八王子山遠見番所が置かれていた小動岬、そこにひっそり佇む小動神社があります。

腰越駅から小動へ

JR藤沢駅とJR鎌倉駅を結ぶ江ノ島電鉄線(江ノ電)。その「腰越」駅から徒歩5分ほどの場所に、小動神社があります。

まずは江ノ電「腰越」駅で下車し、目の前の道路を左へ進みます。
すると分かれ道。

右手に見えるのが小動神社です。ですが、道路が行く手を阻んでいるので、まっすぐ行って横断歩道を渡りましょう。この道路は、湘南の海沿いを走る国道134号線。有名なこの道路は交通量が多いので、隙を見て横切るのはとても危険です。

134号線を渡れば、目の前には広々とした海が広がります。この海では、毎年しらすが水揚げされています。生でも良し、かまあげも良し、地元が誇る海の幸です!

参道で知る神社の由来

やってきました小動神社。
手前が一の鳥居、参道の奥には階段があり、その上の二の鳥居が見えています。
この参道沿いに看板があり、小動神社の由来を知ることができます。

1185年に佐々木盛綱が創建したと伝えられています。盛綱は江の島弁財天に詣でる途中、小動山からの景色に感動して、近江の八王子社を勧請する地と定めたそうです。

1333年には新田義貞が鎌倉攻めの戦勝祈願して勝利、後から「報賽」として刀と黄金を寄進したので社殿は再興されました。

1868年の明治の神仏分離で「八王子社」から「小動神社」へ改称しています。

このように歴史に密着したこの小動神社は、日本遺産に登録されています。
参考:https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/1856/

多種多様な神様たち

二の鳥居をくぐった先の境内には、本殿のほかに4つの境内社があります。

まずは本殿。祭神は次の四柱です。

  • 火盗除け、病気除、諸難除の日本武尊(やまとたけるのみこと)
  • 厄除けや縁結びの素戔嗚尊(すさのおのみこと)
  • 武神である建御名方神(たけみなかたのかみ)
  • 五穀豊穣の歳徳神(としとくじん)


祀られている神様が多いので、ご利益は多岐にわたります。
お賽銭を入れたら鈴を振り、ニ拝・二拍手・一拝、忘れずに参拝しましょう。

元々が八王子社なので、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祭神としています。7月の天王祭は、江の島神社の末社である八坂神社の祭礼と同時におこなわれており、特ににぎわいます。腰越のお祭りと言えば、まず天皇祭でしょう。
参考:https://www.trip-kamakura.com/event/52.html

櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)が由来とされる歳徳神は、素戔嗚尊の奥様ですね。
建御名方神(たけみなかたのかみ)は腰越村内にあった諏訪社を移して、合祀しています。

次に、境内社です。

本殿のすぐ左には海神社(わたつみじんじゃ)があります。

漁業や航海の神である綿津見神(わたつみのかみ)をお祀りしています。海辺に暮らす私たちには、とてもなじみの深い神様です。

さらに、左を向けば金刀比羅宮(ことひらぐう)と稲荷社があります。

金刀比羅宮は、航海の安全・海難救助の大物主神(おおものぬしのかみ)をお祀りしています。
稲荷社は、商売繁盛の宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)をお祀りしています。さらに、交通安全の猿田彦神(さるたひこかみ)、芸能の天鈿女命(あまのうずめのみこと)もお祀りしていて、ご利益がいっぱいです。

そして本殿から振り向くと、大六天社があります。

階段を上るとお社があり、所願成就の第六天神(だいろくてんじん)をお祀りしています。
右にある小さな鳥居のところは、庚申塔でした。

四社で四柱かと思いきや、六柱の神様をお祀りしてありました。本殿に四柱をお祀りしてあったので、なんとあわせて十柱!
ご利益が多い、とても贅沢なパワースポットですね。

高台で映え写真

そして境内の最奥には、海に臨む展望台があります。

八王子山遠見番所の名残のようです。

折角なので登ってみました。

お子様も安心な高い柵!
大人の私の背丈よりも、高くまで柵が設置されています。景色を見るにはちょっと邪魔かもしれません。上の方は隙間だらけなので、手だけ出してみました。

映える写真が撮れました!
手前が腰越漁港、右奥には江の島が見えます。これが、佐々木盛綱を惹きつけた景色です。盛綱の時代には、江の島の灯台も漁港のコンクリートも無かったはずなので、もっと情緒あふれる風景だったのでしょう。

ところで、この小動岬を漁港の方から見てみます。

こんな感じで、鬱蒼と木が生い茂っています。自然が豊かな海辺の岬ですね。
海辺だと思えば、日焼け止めを用意する人は多いと思います。けれども、かなり木々に囲まれたスポットなので、蚊に刺されます。季節によっては虫除け必須です!

134号線沿いからは、いつでも海が見られます。でもたまには、木々に囲まれた岬の展望台で、ゆっくりするのも良いものです。ぜひ、立ち寄ってみてください。

小動神社
住所:神奈川県鎌倉市腰越2ー9ー12
アクセス:江ノ島電鉄線「腰越駅」より徒歩約6分
電話:0467-31-4566
拝観料:志納
拝観時間:特になし
駐車場:専用駐車場なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。