鎌倉駅から鶴ヶ丘八幡宮へ向かう有名な道といえば若宮大路。由比ガ浜から続くその道には3つの鳥居があります。
その真ん中にあたる二の鳥居は桜並木も美しい段葛の入り口にあり、このすぐそばに安産祈願で知られるお寺があります。
二の鳥居のそばにある大巧寺
そのお寺の名前は「大功寺(だいぎょうじ)」。最も、地元では「おんめさま」の方が通りがいかもしれません。
引っ越してきた当時、安産祈願で近いところがないか、と調べたところ、目と鼻の先である鎌倉駅の近くに「おんめさま」を見つけて喜んだのを思い出します。
「おんめさま」は、「お産女様」(おうめさま)が変化した言葉で、大功寺に祀られている産女霊神のことを、親しみを込めて呼んだ名前とされています。
この「おんめさま」、安産祈願はもちろんですが、もう1つ評判があります。それは誕生してくる子どもが男の子か女の子かがわかるというもの。
安産祈願をお願いすると、安産のお守りがいただけますが、この中に秘妙符というものがあり、その中に入っている折り紙が白いと男の子で赤いと女の子が授かるという言い伝えが。
要するに占いに近いものですが、これが良く当たると言われています。
男の子か女の子か。ちょっとドキドキしますよね。
また、こちらに安産祈願をお願いすると出産予定日など必要な事柄を記入するとその予定日まで毎日、祈願をしてくれるそう。ありがたいですね。
歩くのも楽しい植生豊かな境内
大功寺の入り口は若宮大路沿いにありますが、昔はともかく現在は車通りも多いメインストリート。
しかし、その門を一歩くぐるとまるで別世界のように静かな空間が現れます。
よく手入れされた石畳の小道の両側にはさまざまな植物が植えられ、緑豊かな景色にホッと癒され、ついつい足を止めて写真を撮ってしまう楽しさもあります。決して長い距離ではありませんがゆるゆると心穏やかに進めば、大巧寺に到着します。
そのすぐそばには蓮もあり、大きな花が美しく咲いていて、葉の中の水もとってもキレイでした。
久しぶりに訪れましたが、お礼参りに来た赤ちゃんを連れた若いご夫婦と出会いました。とっても微笑ましかったです。
政子石にも足を延ばして
鎌倉には安産祈願以外にも、子宝祈願として有名な「政子石」が鶴丘八幡宮にあります。こちらは北条政子が懐妊した時に、夫である源頼朝が安産祈願をした石と言われています。「政子石」は恋愛成就にもご利益があるとして若い女性に人気のパワースポットとしても人気があります。
北条政子が大姫を懐妊したのは、1177年頃。大巧寺は頼朝の祈願所ともいわれ、その名をつけたのも頼朝と言われています。どちらも頼朝と政子夫妻に縁がある場所といえるでしょう。
もっともこの大巧寺が「おんめさま」と呼ばれるようになったのは、それから350年も後のこと。その当時、大巧寺の住職だった日棟が難産で亡くなった女性を成仏させたことで、その女性に感謝され、以来、安産に力を貸すようになったのが始まりと言われています。
「おんめさま」にお参りに来た際には、せっかくなので「政子石」を一緒に訪れてみて下さいね。
大巧寺
住所:神奈川県鎌倉市小町1丁目9−28
アクセス:JR横須賀線、江ノ島電鉄 鎌倉駅から徒歩約3分
電話:0467-22-0639