日本のお正月の風習のひとつに、七福神めぐりがあります。凶作や疫病に襲われた村を救うために住職と村人が七福神を装い、七難即滅・七福即生を祈願したことから始まりました。
その後、「七福神」と呼ばれる恵比寿神、大黒天、毘沙門天、弁財天、布袋尊、福禄寿、寿老人の七柱の神様が祀られている寺社をすべてまわり、お願いをする習慣を楽しむようになったそうです。
毎年、藤沢市でも七福神めぐりのイベントが開催されます。今年で26回目、藤沢の文化にふれながら、藤沢市にある7つの神社めぐります。
今回はこの藤沢江の島七福神めぐりに参加してきましたので、その模様をご紹介いたします。
※こちらのイベントは現在終了しております。
七福神めぐりオリジナル台紙ゲット!デジタル版スタンプもOK!
藤沢江の島七福神めぐりの参加方法ですが、あらかじめ決まっている神社の場所を確認して、その神社に到着したら参拝をして、神社内に設置されているスタンプ押印所で台紙にスタンプを押します。午前9時から午後4時までの間です。
スタンプを押す色紙は、無料でもらえるスタンプラリー参加用紙、および500円で購入できるオリジナル台紙、デジタル版スタンプ台紙があります。
ただ500円のオリジナル台紙で完歩すると、無料で“開運干支暦手拭”をもらえるそうなので、今回はおもいきってオリジナル台紙を購入しました。
オリジナル台紙はいくつかの指定された場所で購入できるのですが、わたしは藤沢駅南口2階コンコースにある湘南藤沢コンシェルジュで購入しました。
オリジナル台紙をゲットして、これからの七福神めぐりにワクワクしてきました。でも台紙をよく見ると、スタンプ箇所が9つもあります…。七福神の7つの神様を参拝するので7箇所のはず。よく調べてみると、毘沙門天様の神社が2つあり、真ん中は、8つの神社を完歩した後、最後に完歩印を押すそうです。
よし!がんばります!!
藤沢江の島七福神の予習とルート考案
七福神の福をもたらす藤沢市の七つの神様は、この8つです。
- 恵比寿天(商売繁盛・五穀豊穣の神様)・・・皇大神宮(藤沢市鵠沼神明2丁目11−5)
- 大黒天(財宝開運の神様)・・・諏訪神社(藤沢市大鋸3丁目7−2)
- 毘沙門天(厄除けの神様)
・・・龍口寺(藤沢市片瀬3丁目13−37)
・・・白旗神社(藤沢市藤沢2丁目4−7)
- 弁財天(商売と芸能の神様)・・・江島神社(藤沢市江の島2丁目3−8)
- 福禄寿(健康長寿の神様)・・・常光寺(藤沢市本町4丁目5−21)
- 寿老人(健康長寿の神様)・・・感応院(藤沢市大鋸(ダイギリ)2丁目6−8)
- 布袋(笑門来福・夫婦円満の神様)・・・養命寺(藤沢市城南4丁目10−35)
初めての藤沢七福神なので、どのような順番でめぐるか悩みました。
どのくらい時間がかかるか正確にわからず、何かのアクシデントも考慮して、1日目は藤沢駅側の6つの神様、2日目は江の島側の2つの神様をめぐることにしました。
今回は、前編と後編で2つにわけてご紹介させていただきます。
日本古来の神様「皇大神宮 恵比寿天」
1日目の朝は、小雨が振りそうな曇り空でしたが、先日、購入したオリジナル色紙を見ると、完歩に向けて気持ちがワクワクしました。
1つ目は商売繁盛の神様、恵比寿様がいる皇大神宮です。
恵比寿様は七福神の中で唯一、日本古来の神様です。釣り竿と鯛がトレードマークです
藤沢駅のバスロータリー7番のりばに向かいました。藤2、藤3系統に乗車して、「烏森公園前」で下車しました。バスだと6分程でした。
皇大神宮の鳥居は、バス停と真逆にあるので、バス停から3分程歩きました。
途中、こんなクネクネした木があってビックリ。杉でしょうか、松でしょうか。わかりませんでしたが、古くからある“悪しきことはスギされ、願い叶うをマツ”の言葉を思い出しました。
皇大神宮に着きました!
一ノ鳥居から参道を抜けると二ノ鳥居があり、二ノ鳥居のそばに社号標がありました。ニノ鳥居から三ノ鳥居、そして社殿までは広々としていました。
スタンプ場所は手水舎の側に設置されたテントの中でした。参拝をしてから、スタンプを押しました。
笑顔の福の神「養命寺 布袋尊」
続いて2つ目は笑門来福の布袋様がいらっしゃる曹洞宗のお寺、養命寺です。
布袋様はその名の通り、大きな袋を背負った太鼓腹の、笑顔がチャーミングな神様です。七福神の中では唯一、実在していた中国の契此(かいし)という僧侶を神格化した神様だそうです。
また背負った袋は堪忍袋といわれます。このお坊さんは、お寺には属さずに、放浪をしながらたくさんの人に信仰を広めました。この袋には、人からの感謝の気持ちや慈悲の心がつまっているそうですよ。個人的には、布袋様がとても好きです。
皇大神宮から徒歩で25分。旧東海道線沿いにあり、経路は難しくなかったのですが、けっこう距離がありました。
お賽銭箱の手前に、スタンプがありましたので、参拝後に押印しました。
こじんまりとしていて、静かで落ち着いたお寺でした。こちらのお寺に安置されている本尊は、木造薬師如来で国の重要文化財に指定されているそうです。
厄除けと義経「白旗神社 毘沙門天」
続いて、養命寺から徒歩とバスで15分の白旗神社です。電車だと、藤沢駅から小田急線「藤沢本町」から徒歩7分、白旗交差点のそばにあります。
白旗神社の主祭神は、寒川比古命と源義経公です。寒川比古命は相模地方を中心に関東地方を開拓した親神で、厄除けの神様です。冬の冷たい風で、厄除けの黄色い旗がはためいていました。
歴史ははるか昔。壇ノ浦の戦いで平家を滅ぼした源義経は、兄の源頼朝の不運な怒りに遭い、鎌倉にはいることができず腰越で逗留。
江の島近くの満福寺で書いた腰越状も功を奏さず藤原氏の奥州平泉に逃れますが、頼朝の圧力に屈し、正妻と4歳の娘を殺害して自刃。享年31歳でした。
義経の首は腰越の浜に運ばれて首実検が行われた後、片瀬の浜に投げ捨てられたそうです。諸説ありますが、その首は潮によって境川をさかのぼり、里人がその首をひろいあげ、白旗神社の南方にある井戸で洗い清めて白旗神社に葬ったそうです。白旗神社の次に訪れる常光寺には、義経を最後まで守った弁慶の首も祀られているそうです。
白旗神社の鳥居のすぐそばには、令和元年に建立された義経と弁慶の銅像が勇ましく立ち並んでいました。
鳥居をくぐると、境内は広々としていました。
藤沢七福神めぐりのイベントにちなんで、顔はめ看板がありました。絵の構図としては、真ん中の神様が毘沙門天でしょうか。
毘沙門天は、七福神では他の神様と一緒に宝船に乗り、船頭の役割となります。たしかに、右の手に宝棒という武器をもち、外敵の侵入を防いでいますね。七福神の持ち物には、それぞれ意味があるので面白いですね。
前述の源義経は、剣術も戦術も優れていました。義経を祀っている白旗神社は、文芸、芸能、学問にご利益があるとされています。
お守り授与所には、厄除けのお守り以外にも、医療従事者、看護師、警察官、消防士など、職種にわけたお守りが販売されていました。
お守り授与所の前には、おみくじもたくさんありました。
おみくじ結びも、びっしり!優柔不断なわたしは、案の定、迷ってしまい、おみくじもお守りも選べませんでした。
さて肝心のスタンプ場所はどこかというと、本堂のそばにありました。無事に3つ目のスタンプを押し、鳥居の前で一礼して次の常光寺に向かいました。
石像と樹木「常光寺 福禄寿」
白旗神社から常光寺まで10分少々。ちょっと疲れてきたのか、足取りが重くなってきた気がしました。
常光寺には七福神のうち、福禄寿が祀られています。
福禄寿という神様は、背が低く、長頭で長いヒゲが特徴です。左手には宝珠、右手には杖をもち、そばには長寿のシンボルである鶴を伴っています。その名のとおり、幸福、封禄(財産)、長寿の三徳を具現化した神様です。また常光寺の本尊は阿弥陀三尊です。
常光寺の門の手前には、こんなかわいらしい石像があり、疲れていた気持ちもふっとびました。“私はしあわせ”。みなさんに、藤沢市の魅力をお届けできてしあわせです!
さて、常光寺の正門をくぐると、珍しい石像やかわいらしい石像がたくさんありました。カメ、カタツムリ、ブタなど子どもがはしゃぎそうな石像です。
また境内には多くの巨木が生い茂っていました。案内板には、クスノキ、カヤ、タブノキ、イチョウと、大小さまざまな木々が生長しているそうです。なかでも、弁慶塚がある裏山にあるイチョウの大木は5.9mという太さだそうです。
境内東側のカヤの木は高さ25mにもなり、かながわの名木100選に選定されています。さらに、常光寺の寺林は旧宿場に残る貴重な緑地として、市の天然記念物に指定されているそうですよ。
スタンプ台は本堂の前に準備されていました。参拝をして、無事にスタンプを押印し、福禄寿の石像にも一礼して常光寺を後にしました。
遊行寺と親子関係「諏訪神社 大黒天」
5つ目の神社は、常光寺から徒歩15分程のところにある諏訪神社です。途中、こちらの古い建物が目を引いたので、なにかと思ったら、藤沢市ふじさわ宿交流館という施設でした。藤沢宿のジオラマが見られるそうです。
諏訪神社の御祭神は神道の女神、八坂刀売命です。
本日の七福神めぐりの終盤にさしかかり、小雨も止みそうにないので急ぎ足で向かいました。残る2つは近い距離なので、藤沢側の完歩がせまってきました。
諏訪神社本殿までの参道は、長い階段です。
大黒天という文字がかかれたのぼり旗が階段沿いに多数掲げられていたこともあり、疲れていましたが、威儀を正して階段を登りました。運動不足だったので今年最初の試練でした。参道の階段の途中で少し休憩しました。
諏訪神社では4月に大黒天祭があります。大黒天という神様は、あたまに頭巾をかぶって、左肩に大きな袋、右手には打ち出の小槌をもって米俵の上に立っています。たれさがった福耳に、満面の笑みが特徴です。五穀豊穣と商売繁盛などお金にご利益があるとされています。
休憩を終えて、さきに見える本殿まで一気に階段をのぼりました。
息を切らしながら到着しましたが、本堂には他の参拝者もいなくて、物音ひとつせず静寂としていました。小雨の中、静かに参拝しました。
参拝をした後は、中程の階段に戻り、無事に5つ目のスタンプを押しました。雨が降っていたので、下りの階段も気をつけておりました。
「感応院 寿老人」
本日、最後の七福神は感応院です。
諏訪神社から徒歩4分と近く、バス通りから少し横道にはいった場所でした。民家の先にあり、少しわかりづらかったので気をつけてくださいね。藤沢駅北口からは徒歩10分ほどです。
七福神の寿老人の神様を祀っている感応院は、高野山真言宗のお寺です。
源実朝が創立し、当時の鎌倉幕府の御家人だった藤沢清親の名前が、現在の藤沢市の名前の由来だそうです。
東海道五十三次の6番目の宿場だった藤沢宿のうち最も古い寺院のひとつで、本尊は不動明王です。
山門には藤沢七福神の旗があったので、目印になりました。
山門をくぐると、左にお堂があり、そちらでまず参拝しました。中央には手入れが行き届いている植木やソテツ、緑林が多く、ひっそりとした風情のある雰囲気でした。
さらに境内には立派な弘法大師の石像や石塔、梵鐘がありました。とくに、本堂の右奥にある三島明神堂は360度回転する構造で知られています。
さて、肝心のスタンプ台は、本堂の右側の玄関前にあったので、しっかりと6つ目のスタンプを押しました!
最寄りのバス停からバスに乗り、スタート地点の藤沢駅にもどりました。
1日目六福神は完歩!次回江の島側の二福神の旅
1日目、藤沢側の七福神めぐりが終わって、ホッとしました。天候もそこそこでしたが参拝者で混雑することもなく、1時間半ほどでまわることができましたが、その日はぐっすり眠りました。
次回、江の島側の2つの参拝の模様をお送りいたします。
第26回新春藤沢江の島歴史散歩藤沢七福神めぐり
開催日 2023年1月7日(土)~1月31日(火)
主催 公益社団法人藤沢市観光協会
今回のスタート地点:JR東海道本線、JR湘南新宿ライン、江ノ島電鉄、小田急江ノ島線 藤沢駅北口
アクセス:
皇大神宮 藤沢市鵠沼神明2丁目11−5 藤沢駅からバスと徒歩10分
養命寺 藤沢市城南4丁目10−35 皇大神宮から徒歩25分
白旗神社 藤沢市藤沢2丁目4−7 養命寺からバスと徒歩15分
常光寺 藤沢市本町4丁目5−21 白旗神社から徒歩10分
諏訪神社 藤沢市大鋸3丁目7−2 常光寺から徒歩15分
感応院 藤沢市大鋸(ダイギリ)2丁目6−8 諏訪神社から徒歩2分
【スタンプ台紙配布場所】
小田急電鉄各駅、江ノ島電鉄(藤沢駅・江ノ島駅)、湘南モノレール(大船駅・湘南江の島駅)、藤沢七福神各神社・寺院、藤沢市役所観光課、藤沢市内市民センター・公民館、藤沢市観光センター、片瀬江の島観光案内所、湘南藤沢コンシェルジュ、藤沢市ふじさわ宿交流館
【開運干支暦手拭販売場所】
藤沢市観光センター、片瀬江の島観光案内所、湘南藤沢コンシェルジュ、藤沢市ふじさわ宿交流館(休館日を除く)
販売時間:午前9時~午後5時まで
【オリジナル色紙販売場所】
藤沢市観光センター、片瀬江の島観光案内所、湘南藤沢コンシェルジュ、藤沢市ふじさわ宿交流館(休館日を除く)、各寺社(神社・寺院の都合により対応できない場合があります)
販売時間:午前9時~午後5時まで
お問い合わせ
藤沢市観光センター TEL:0466-22-4141