学問の神様 菅原道真を祭神とする鎌倉市上町屋の「天満宮」

みなさまもご存知の通り、鎌倉は歴史ある街として知られており、たくさんの神社仏閣があります。

今回はその中でも鎌倉市上町屋の住宅地にある、ちょっとローカルな「天満宮」をご紹介したいと思います。

静かな住宅地の中にある「天満宮」は、地元では「お宮さん」としても親しまれているようですが、実は長い歴史のある「お宮さん」なんです。

小さな「お宮さん」ですが、銀杏や椿の木々が生い茂る境内には、社殿に祠や石碑の他、鎌倉市の有形文化財である石塔があります。

学問の神様と言われる菅原道真公を祀っているので、受験の季節には、お参りに来る人も多いとか。

それでは、「天満宮」をご案内しますね。

実は1000年超えの歴史を持つ「天満宮」

最後にご紹介する、鎌倉市教育委員会が発行した本、【かまくら子ども風土記】によると、『平安時代の天慶(てんぎょう)期間の938〜946年に、藤沢の村岡にいた平良文という武士が、夢のお告げで天神をまつったのがこの天満宮の始まり』とあります。

そうなんです!実は1000年以上の歴史があるんです。

入り口の鳥居は明神鳥居という形式のもので、「天保十一年」(1840年)と彫られており、関東大震災にも耐えた鳥居です。

毎年1月25日には祭礼がおこなわれます。

入って右手の、立派な銀杏の木のところに社務所・町内会館がありますが、基本的には無人なので、御朱印やお守りの販売はありません。

いつでも参拝できますが、トイレもないのでその点はご注意くださいね。

「天満宮」の最寄り駅は?湘南モノレールか江ノ電バスで!

最寄り駅は、湘南モノレール「湘南町屋」か「湘南深沢」です。
いずれの駅からも、徒歩約10分くらいで、江ノ電バス「町屋橋」からは徒歩約5分くらいです。

「天満宮」の中をちょっと探検!

鳥居をくぐると、1体の狛犬が出迎えてくれます。

鳥居をくぐって左の狛犬はまりに手を当てていて、右の狛犬は子狛犬に手を当てようとしているのか、手が浮いています。

正面の社殿は天明元年(1781年)に建てられたと言われています。
お賽銭箱の前には、お参りの仕方を記した木の板もあります。

頭を上げて社殿の見事な木彫りを見てみてください。
しっかり組まれた木製の屋根も見事ですが、頭上をよく見てみると、龍神、唐獅子、鶴が彫られているのを見ることができます。

社殿を囲んで3つある祠(ほこら)には、梅王社・松王社・稲荷社が祀られています。
この3つの祠は明治の初めに、江戸を引き上げてきた大工によって造られたものだそうです。

そして、社殿に向かって左の方には、正徳2年(1712年)に作られた菅原道真が浮き彫りとなっている石碑があり、その隣には、寛文10年(1670年)に建てられた庚申塔(こうしんとう)があります。

この庚申塔は鎌倉市の有形文化財です。

そして鳥居の脇には、天皇陛下御即位記念樹があります。

まだ背は低いので木ですが、これからの月日と共に伸び、時代と共に成長していくかと思うと、楽しみでもありますね。
参拝の折には探してみてください。

65年以上前に発行されて以来、改訂を重ね大切にされてきた鎌倉市の本【 かまくら子ども風土記】

ちょっと「天満宮」のお話からは外れてしまいますが、昭和32年(1957年)に鎌倉市教育委員会により、初版が発行された【かまくら子ども風土記】という本があります。

改訂され続け、現在のものは14版(平成31年(2019年)3月発行)となり、約420ページからなる、なかなか重みのある大判の本となっています。(2023年12月現在)

初版から65年以上経った今でも改訂を繰り返し、手にすることができるこのような本があることからも、いかに鎌倉市がたくさんの文化や歴史ある名所を持つ街かが分かりますよね。

この本の取扱書店を含む、入手方法に関しては、鎌倉市の公式HPを参照ください。

そしてもちろん、【かまくら子ども風土記】には「天満宮」も載っています。

「天満宮」は小さなお宮さんですが、境内には銀杏の木や椿の木など、たくさんの木々が生い茂っています。

社殿や、石碑や鳥居を見ても、昔は機械があるわけではないので、全て人の手で作られていたと思うと、本当にすごいことですよね。

参拝の際にはぜひ、境内を隅々まで歩いてみてください。

天満宮
住所:神奈川県鎌倉市上町屋616
アクセス:湘南モノレール湘南町屋駅または湘南深沢駅から徒歩約10分
電話番号:0467-22-3251

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。