JR逗子駅近くに、開店45年を迎えた“喫茶店”があります。そう、カフェというより昭和の良き風情を残した“喫茶店”です。
今回は、地元の年配の方から観光客らしき若い方でにぎわう、ホルトの木を紹介します。
店名「ホルトの木」ってどんな木?
JR逗子駅からマクドナルドに向かって、その手前の小径に入っていきます。
裏道ですが、商店が立ち並び比較的ひと通りの多い道です。少し歩いたところにホルトの木の看板が見えてきます。
その看板には「営業時間:朝来てから夜帰るまで」、と書かれています。まあ、メニューが出ていたり看板がライトアップされていれば営業、ということでしょうか(笑)。
店名の“ホルトの木”とはどんな木なのでしょう。
逗子市に神武寺という寺があります。鷹取山へのハイキングコースの途中なので、ご存じの方も多いと思います。
そのお寺に“ホルトノキ”、通称「なんじゃもんじゃの木」と呼ばれている樹齢400年以上とも言われている大木があります。店名をつける際、お寺のシンボルであるその木をふと思いついたそうです。
扉を開けた途端、懐かしさただよう店内
看板の出ている門構えをくぐって、数百メートル先に店舗があります。駅から徒歩3分なのですが、隠れ家的に民家が現れます。先ほどの看板がなければ気づかれないくらい、奥まっています。
店内はカウンターが5.6席とテーブル席が数席あります。
開店は1970年代。その店内は、CDプレーヤーや年季の入ったギターなどがあり、昭和生まれの自分に遠い昔を思い起こさせる雰囲気があります。そして店内は洒落た音楽ではなく、テレビのワイドショーなんです。
店を切り盛りしているのは元気な80代女性
店内に入ると、チャキチャキとした女性の店主が出迎えてくださいます。常連さんと楽しくおしゃべりをされていたのですが、その合間にお話をうかがいました。
40歳でこの店舗を開業して、開店45周年…え?ということはお歳は85歳?全くその年齢を感じさせない元気な方です。なんと、ご自宅からバイクで通勤されているとのこと!
渡されたメニューからも、年月の長さを感じます。価格改定をしても、手書きでメニューの上にテープで貼り付けていっているようです。
ケーキセット650円、フードセットにもコーヒーがついて1100円、トーストもコーヒー付きで780円という、今どきうれしい価格設定です。日替わりランチセットをお聞きすると、日々肉か魚が選べるようです。
ドリンクメニューはこちら。逗子駅近辺で、チェーン店以外でコーヒーを一杯、という店がなかなかないので、ありがたいお店です。
そして、頼んだフードセットのツナトーストはこちら。この厚みのあるパンにコーヒーがついて780円です。
昔ながらの喫茶店の食事って、あたたかみがありハズレがないですよね。シャキシャキ感が残るオニオンと塩っけが、酸味のあるコーヒーにマッチしていました。
このような雰囲気の喫茶店って、ありそうでなかなか残っていないもの。80歳を超える店主の方には元気で長く続けていって欲しいものです。
こじゃれた話題のカフェも良いですが、たまにはレトロ感ただよう“喫茶店”はいかがでしょうか?テレビの音と共に、のんびりしてしまうお店です。
ホルトの木
住所:神奈川県逗子市逗子1-5-20
アクセス:JR横須賀線/逗子駅から徒歩3分
京急逗子線/逗子・葉山駅から徒歩4分
TEL:046-873-5925
営業時間:ランチ9:00-19:00
定休日:なし