茅ヶ崎駅から徒歩5~10分弱、図書館や美術館が隣接する場所にある高砂(たかすな)緑地にやってきました。
駅南口に降り、正面の通りがその名も「高砂通り」です。そこを道なりにずっとまっすぐ行くと迷わずたどり着けるので、とても分かりやすい場所にあります。
高砂緑地は、明治期の俳優・川上音二郎や大正時代の財界人・原安三郎が住んでいたことで知られています。今もそうですが茅ヶ崎は暖かい気候で、別荘地や保養地として昔から親しまれていたんですね。
お庭を散策!茶室と書院がある「松籟庵」
緑地に入ると「松籟庵」の入口が見えてきます。
こちらは時間貸しの茶室と書院だそうです。お庭の見学は自由にできるので、私も散策してきました。
こちらの入り口をくぐると日本庭園が広がります。
駅前の騒がしさが噓のようです、ほんの少し足を延ばしただけで緑豊かな静かな場所があるというのがうれしいですね。
ちなみに、位置関係はこのような場所になっています。緑地の入り口にある案内板の写真です。本当に駅の目と鼻の先です。
茶室の外観です。利用には予約が必要なので中には入りませんでしたが、散策無料の周囲は、和庭園の池や錦鯉、石橋やとてもきれいな植え込みで癒されます。
私がお邪魔したときは、こんなバケツが置いてありました!
残念ながら空っぽでしたが、梅の実の季節にまた訪れてみたいですね。
和庭園の一部です。この日はお天気も良く少し歩くと汗ばむような陽気でしたが、木陰や池の水面の近くはなんとなく涼しげでとても気持ちよくお散歩できました。
池にはきれいな錦鯉が居ました。優雅に泳ぐ姿もまた涼しそうで、すっかり都会の喧騒など忘れてしまいます。
庭園の中にある三重塔です。奈良・薬師寺のものを1/10スケールで再現したものだそうです。
川上音二郎夫妻の記念オブジェ
「松籟庵」を出て高砂緑地に戻ってきました。緑地の一角には、こんなモニュメントがあります。
かつてここに住んでいた川上音二郎夫妻を記念したオブジェです。サンフランシスコ、ロンドン、パリ万博などの世界巡業の後、当時の市川團十郎を慕って茅ヶ崎に居を構えるに至った川上夫妻は、ここ高砂緑地に住んでいたそうです。
中でもパリ万博で貞奴さんの演技は好評を博したそうで、日本の九州が舞台のイタリアオペラ「蝶々夫人」の作曲家ジャコモ・プッチーニ氏とも会ったそうです!敷地内には、夫妻が使っていた古井戸が保存されていました。立ち入りができないので遠くからにはなりますが、そちらも見ておきたいスポットですね。
緑地には他にも、南湖に住んでいた山田耕筰の記念碑、結核の治療のため南湖院で療養していた八木重吉の碑、平塚らいてうの碑などがありました。
茅ヶ崎がかつて別荘地、保養地であったという土地柄ならではの歴史深いエピソードに出会える場所でした。
ベンチや季節のお花でリラックス
さて、今現在に話が戻りますと、緑地内には水飲み場や数か所のベンチなどが整備されています。私がうかがったこの日はお天気も良く、お昼近くだったこともあり、ベンチでのんびり休憩している方もちらほらいらっしゃいました。
お花もかわいらしく、見ごろなものもいくつか咲いていました。
こちらは白いアジサイです、夏のように暑い日もありますが薄緑色がみずみずしくとても可憐に咲いていました。
ホタルブクロも、きれいですね。鮮やかな紫色がパッと目を引きました。地面の近くに頭を垂れてしまいますが、すごく存在感がありますね。
クチナシのお花です。ちょっと一息、癒されますね。
茅ヶ崎市は海が近いお洒落なベッドタウンとして有名ですが、ちょっと紐解いてみるとさまざまな文化人にゆかりの歴史ある街なんですね。
図書館や美術館にご用の際はぜひ寄り道をおすすめしたいです!
高砂緑地
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-50
アクセス:JR東海道線・相模線「茅ヶ崎駅」南口から徒歩約6分
電話番号:0467-87-5258
開園時間:庭園 午前9時~午後5時
休園日:月曜日・祝日の翌日・12月29日~1月3日