心が洗われる「鈴虫放生祭」鎌倉・鶴岡八幡宮の神事を体験

鎌倉で一番有名な神社といえば、なんといっても「鶴岡八幡宮」。その始まりは1063年、源頼朝のご先祖様にあたる源頼義が、京都の岩清水八幡宮を勧請して由比ガ浜に祀ったことに遡ります。

その後、現在の場所に移され地元はもとより全国に知られている有名な神社です。

流鏑馬に薪能など鎌倉で鑑賞できる神事は知ってはいましたが、近いとなかなか足を運ばないのもまた事実。

せっかくなのにもったいない、と足を運んだ鶴岡八幡宮の例大祭の神事の1つ、「鈴虫放生祭」を今回はご紹介します。

その歴史、800年。鶴岡八幡宮の例大祭

例大祭は神社のもっとも大切な祭で、それぞれ神社によってその日にちは違いますが、鶴岡八幡宮の例大祭は9月15日。

旧暦の8月15日に流鏑馬と放生会が行われたという記録が「吾妻鏡」が残っており、その日にちなみ今も続けられています。

その記録があるのが1187年。今から834年も前から続いていると聞くとなんだか不思議な気持ちがしてきますね。

例大祭は9月15日ですが、その前後の日も行事があるので、全行程は9月14~9月16日の3日間執り行われます。
9月14日は浜降式。早朝、宮司や祭人などが由比ガ浜に入って身を清め、身を清めた証に海藻を持ち帰り、奉納します。

夜は宵宮祭。これから例大祭を執り行う報告を大神様にする儀式です。なかなかすべてを見届けるのは難しいですが、一度、通しで見てみたいですね。

流鏑馬は中止に。秋晴れの中の「鈴虫放生祭」

例大祭のメインは流鏑馬ですが、今年はコロナ禍の影響で中止に。勇壮な神事なので大勢人が集まることを思えば仕方がないですが、残念です。

台風が停滞していて、どうなるかと思いましたが最終日の「鈴虫放生祭」の9月16日は気持ちの良い秋晴れとなりました。

この放生祭は昔の放生会と同じもので、以前は夕暮れに行っていたそうで鈴虫が放たれてもなかなか見るのは難しかったそうです。と、これは隣で撮影していたおじいさんが教えてくれました。

放生会は生き物を放ち、殺生を戒める儀式ですが、この生き物は亀だったり、鳥だったり、または金魚だったりとさまざまで、詳しくはわからなかったのですが鶴岡八幡宮の放生会で鈴虫なのは例大祭が秋だからではないかと思います。

鶴岡八幡宮のホームページによれば、「放生とは生き物を放つことであり、生命の尊さや季節に対する感性を大切に守り伝えよう」と2004年から始められたそう。こちらは意外と最近始まった神事でした。

立ち止まることも必要なこと。生き物に感謝して

神主が祝詞を奏上した後、雅楽に合わせて巫女が舞う。いつもよりは観客が少ない中、神事が緩やかに始まるとなぜだか心が落ち着いてきます。舞が終わると観客も一緒に本宮に向かい二礼二拍手一礼をしました。

最後は白幡神社にある柳原神池に鈴虫を放ち、放生祭が終わりました。歴史を感じながらのひとときは忙しい毎日にふっと足を止め、今この時をありがたく思う。そんな時間を思い出させてくれます。

まだまだ天気も落ち着きませんが、紅葉もこれから。そぞろ歩きが楽しくなります。
今年も秋の鎌倉がいよいよ始まりますよ。

鶴岡八幡宮(例大祭)
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目1‐31
アクセス:JR横須賀線・江ノ電鎌倉駅から約徒歩10分
開催期間:9/14~9/16

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。